■ ナレッジ・パートナーの”スピリッツ”
2003年、米国特許実務のバイブル的存在である”Landis On Mechanics Of Patent Claim Drafting”を読み込み、英語でディスカッションする勉強会が名古屋で毎週行われていました。Knowledge Partners創業者の一人が呼びかけて始まったこの勉強会には、時間を忘れていつでも徹底的に議論を戦わせるもう一人の創業者がいました。イギリス人をして西欧スタイルと評されたその議論がKnowledge Partners の原点です。
■ ”知的”に仕事を楽しむ
Knowledge Partnersではラフなスタイルのディスカッションがしばしば自然発生します。私たちは、ディスカッションを通じて違いに高め合うことを仕事の楽しみの一つと考えています。
■ ”知識”の”知恵”
私たちが高く評価していただけるのは、私たちの知的好奇心が少しばかり強く、知的興奮を味わうことが自然と楽しいと思えるからに過ぎないのかもしれません。しかし、知識は私たちの資産です。個人の暗黙知を組織の形式知としてスマートに共有するメカニズムが必要です。それらはコーチングスタイルや、ウェブ型の知識データベースや、ペーパーレスオフィスや、評価フィードバックや、オフィスデザインとして具現化されています。
- データベース
- 知識はデジタル保存が基本 <read more..>
- 知識は空間的にも時間的にも散在していますし、人間の記憶力はディジタル記憶媒体に及びません。このためKnowledge
Partnersでは個々のメンバーが獲得した知識を共有し何時でも簡単に取り出せるツールとしてウェブ型データベースを使っています。
このデータベースは”Wikipedia”にも使われているWikiシステムを使うことにより、双方向のウェブ型データベースとして実現されています。メンバーはクライアントから指示されたことや学習して身につけたことや組織内の合意事項などを自由にデータベースに書き込んでいきます。Wikiは異なる記事に書かれた同じ単語を自動的にリンクするため、複数の人の知識が自動的に統合されるという優れた特徴を持っています。
- ペーパレスオフィスとサーチエンジン
- 知識共有にはネットワーク検索技術を駆使 <read more..>
- メンバーが作成した明細書、図面といった書類は電子化され、技術分野毎のフォルダに振り分けてサーバに保存されています。メンバーが使うPCには自然言語検索が可能なサーチエンジンがインストールされ、新しい書類作成の参考となる過去の書類に瞬時にアクセスできるようになっています。例えばクレーム案を検索テキストボックスに入力すると、そのクレーム案に近い内容の明細書が瞬時に提示されます。また複数の図面イメージデータを一覧しながら参考となる書類を探すこともできます。このためメンバーは過去に誰かが練りに練って考えた表現を簡単に拝借することができるのです。
また審査基準や研修資料、判例、技術文書といった参考資料もサーバに保存されているため、必要な情報を手軽に入手することが出来ます。このため、「確かどこかに書いてあったぞ」というときには、即座にもう一度確認し知識を深めることが出来るのです。
- 評価フィードバック
- 奢ることなくひたむきに <read more..>
- できの悪い明細書はだれが見ても大抵できが悪いと感じるようですが、平均以上の品質における明細書の評価はクライアント毎に違いますし知財担当者によっても多少ばらつきます。
このためKnowledge Partnersでは全ての明細書についてクライアントから評価をフィードバックしていただいています。評価シートにはクレーム設計、明確さ、クレームのサポートレベル、訴求力、長さ、正確さといった項目が記載されていますので、メンバーは自分とクライアントの考え方の違いがどこにあるのか、自分のどこに改善の余地があるのかといったことを日々確認しながら自己研鑽に励んでいます。
- コーチングスタイル
- マンツーマンで粘り強くが私たちの流儀 <read more..>
- Knowledge Partnersには制度と呼べるほどの研修制度はありません。技術分野、経験、能力に応じて案件と担当者とのマッチングが行われ、トレーニーの場合には代理人メンバーとの二人三脚で書類を作成していきます。代理人メンバーのコーチングスタイルもそれぞれですが、2つ共通していることがあります。
1つ目はOK基準が自分基準だということです。つまり、トレーニーであるからといって代理人メンバーからみて満足のいかない品質レベルで良しとすることはありません。コーチである代理人メンバーが徹底的にチェックし、自分の仕事として許容できるレベルに到達するまでは、何度でも修正していきます。インタビューを通じて権利化の方針を示し、最初のチェックではどこが悪いかを説明しながら修正の指針を与え、二回目以後のチェックでは必要に応じて具体的な修正を行いつつ、なるべくトレーニーの力で修正させるようにします。これ自体は一般的なやり方だと思いますが、コーチの品質へのこだわりが強いためにトレーニーにとっては概して厳しく、そのような期間が相当長く続きます。
共通点の2つ目は、コーチは自分を絶対視しないということです。この業界では大抵誰もが明細書について一家言を持っています。しかし、その根拠があまりにお粗末であったり、単に長年自分がそうしていることを絶対視しているにすぎない場合もあるようです。だからこそコーチはトレーニーがなぜそう書いたかをしばしば尋ね、信頼に足る情報源を提示しつつなぜよくないと思うのか自分の考えを説明し、反対意見に対する議論を厭いません。コーチの考えが権威主義的にトレーニーに押しつけられることはありません。
このようなコーチングスタイルは短期経営的には非効率だと思われますが、こういった形でこそ、自分自身が経験や学習から得た知識を、活かせる知識として伝達することができ、またトレーニーのやりがいを引き出すと考えられています。
- オフィスデザイン
- スタイリッシュなオフィスデザインには理由があります <read more..>
- 日本型オフィスといえば大部屋に四角いデスクが向かい合わせで並び、列の端に上司が座るというイメージでしょうか。それが日本のステレオタイプだとすれば、Knowledge
Partnersのオフィスは相当変わっています。デスクはブーメラン型ですし、どの二人をとっても向かい合わせにはなっていませんし、背の高さほどのパーティションの向こう側はうっすらと透けています。そして職位に関わらず、全員ほぼ同じユニットを使い、どこに座っても他のメンバーについて同じような関係性を持っています。
このようなレイアウトは、集中力を高めるとともに双方向のコミュニケーションを促進することを目的として採用されています。もし経験豊かな弁理士が個室にこもって仕事をしていたとしたら、気軽に質問したり教えてもらうことは難しいはずです。また個室内での議論では、議論によって新たに創造される知識が個室内にとどまってしまうはずです。Knowledge
Partnersのオフィスに初めて訪れた人は、その近未来的でスタイリッシュなデザインに驚きますが、そのデザインには頭脳型オフィスの合理的理由があるのです。
たった1つだけ、はじめの頃には困ったことがありました。視覚的には集中できるのですが、ディスカッションが始まると他人の話し声で集中できないということでした。しかしその問題は耳栓という原始的なアイデアによって解決され、今では集中モード=耳栓スタイルがすっかり定着しています。高性能耳栓と射撃用イヤーマフを愛用するメンバーは、関心のないディスカッションが始まると自分の心音しか聞こえない世界で自分の仕事に没頭します。
■ ”ナレッジイネーブリング”のスピリッツ
ナレッジマネジメントは高品質の専門サービスを効率よく提供するための工夫ですが、どのような特許明細書が最良であるか、この問いに対する答えは1つではありませんし、目的が同じであったとしても人によって答えは変わります。私たちは、最良のサービスを模索し続ける意識と自分のスタイルを変えられるしなやかさとともに。
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